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医院からのお知らせ&デンタルコラム

医院からのお知らせ及び、院長発信のデンタルコラムです。
過去にもたくさんの情報を掲載しておりますので、お時間がございましたら、お読みください。

 

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医院からのお知らせ&デンタルコラム

医院からのお知らせ及び、院長発信のデンタルコラムです。
過去にもたくさんの情報を掲載しておりますので、お時間がございましたら、お読みください。

 


骨粗鬆症治療薬の注意点
日本調剤の調査によると、日本で日常的に何らかの薬を服用している人の割合は約4割で、60代以上の高齢者になると6割以上の人が該当するようです。
このように、持病を抱えて毎日薬を飲むのが当たり前になっている人は、歯科 治療を受ける際は気を付けなければなりません。
 
中でも特に注意が必要なのが「骨粗鬆症」の治療薬です。
骨粗鬆症は、骨の量が減って強度が低下し骨折しやすくなる病気で、日本では約1300万人の患者がいるといわれています。  
 
治療は薬物療法が中心で、病状に応じて
①骨吸収を抑制する薬(ビスホスホネート、抗RANKL[デノスマブ]、カルシトニン、SERMなど)
②骨の形成を促進する薬(ビタミンK2、副甲状腺ホルモン[テリパラチド]など)
③骨代謝を調節する薬(カルシウム、活性型ビタミンD3など)が使われています。
 
このうち、①ビスホスホネートなどの骨吸収抑制薬を長く服用している人は、歯科治療のリスクが高くなります。
ビスホスホネートを使用している患者さんが、抜歯などの外科的な歯科治療を受けると、まれに『顎骨壊死』を発症するケースが報告されています。
顎の細胞や組織が死んで骨が腐った状態になり、口腔内細菌の感染によって顎の痛み、腫れ、化膿といった症状が出る病気です。
悪化すると、顎の骨が折れたり、皮膚の表面に穴が開いて膿が漏出するケースもあります。
 
ビスホスホネートを長期使用している患者の外科的な歯科治療を行う場合、以前は3年以上服用している人は3カ月の休薬の後で処置を行うとされていました。
しかし、研究が進んだ結果、現在は『低用量であれば休薬は必要ないのではないか』との見解が主流になっています。
原則的に休薬はせず、口腔内の炎症を少なくするために歯石除去や殺菌などの処置を行ったうえで治療の1時間前に抗生剤を服用してもらってから外科的な治療を実施します。  
 
ビスホスホネートなどの骨吸収抑制薬は骨粗鬆症に対して非常に有効な薬で処方されている患者は多く、長く使用している人が歯科治療を受けに来るケースは少なくありません。
該当する人が歯科治療を受ける際は、お薬手帳を持参したり、治療前に使っている薬を歯科医に伝え、指示にきちんと従いましょう。
 
詳しくは、下記をクリックしてご覧ください。
薬剤関連顎骨壊死の病態と管理:顎骨壊死検討委員会ポジションペーパー


「睡眠時無呼吸症候群について
睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome)は、睡眠中に無呼吸状態が繰り返される病気です。
つまり、眠っている間に呼吸が止まっている状態のことをいいます。
Sleep Apnea Syndromeの頭文字をとって、「SAS(サス)」とも言われます。
 
医学的には、10秒以上の気流停止(気道の空気の流れが止まった状態)を無呼吸とし、無呼吸が一晩(7時間の睡眠中)に30回以上、もしくは1時間あたり5回以上あれば、睡眠時無呼吸です。
寝ている間の無呼吸に私たちはなかなか気付くことができないために、検査・治療を受けていない多くの潜在患者がいると推計されています。
この病気が深刻なのは、寝ている間に生じる無呼吸が、起きているときの私たちの活動に様々な影響を及ぼすこと。
気付かないうちに日常生活に様々なリスクが生じる可能性があるのです。
 
睡眠時無呼吸症候群の徴候と症状
睡眠の質が気になる方は、専門の医師にご相談ください。
閉塞性睡眠時無呼吸症候群と中枢性睡眠時無呼吸症候群は症状が一部重複しているため、どちらなのかをご自身で判断するのは困難です。
よく見られる徴候や症状としては、下記が挙げられます。
〇睡眠中の息苦しさ 
〇口の渇きで目覚める 
〇朝の頭痛 
〇苛立ち、怒り
〇睡眠中に息が止まっていると言われる 
〇日中の倦怠感 
〇寝つきが悪い 
〇注意散漫 
〇頭がはっきりしない 
〇いびき(中でも大音量で、むせたり息が詰まったり、鼻息が荒い状態のいびきを含む)
 
治療
睡眠時無呼吸症候群と診断された場合は、重症度によって次のような治療が行われます。
 
経鼻的持続陽圧呼吸療法(CPAP)
睡眠ポリグラフ検査で睡眠時1時間あたり無呼吸や低呼吸になった回数が20回以上で、なおかつ日中に眠気などを自覚しているケースでは、睡眠中にマスクから強制的に空気を送り込んで狭くなった気道を広げる“経鼻的持続陽圧呼吸療法”が行われます。
この治療を行うことで、心筋梗塞や脳卒中などを発症する危険性を通常と同程度まで低下させることが分かっているため、全国的にも広く行われています。
 
軽度な症状に適した治療法
睡眠時無呼吸症候群(SAS)を歯科装具(マウスピース)で治療するケースもあります。
スリープスプリントとも言われています。
下顎を上顎よりも前方に出すように固定させることで上気道を広く保ち、いびきや無呼吸の発生を防ぐ治療方法です。
作製は、SASについての知識があり、マウスピースや口腔内装置を作り慣れている専門の歯科医にお願いするのが良いでしょう。
 
マウスピースをつけて寝るだけ、と思うと手軽に思えるかもしれませんが、必ずしも全ての症例に効果的な治療方法というわけではありません。
中等症までの閉塞性睡眠時無呼吸タイプに対しては比較的効果が見られやすい一方で、重症の方の場合には治療効果が不十分とされる報告もあります。
重症度をきちんと把握し、医師とよく相談した上で治療を始めるのが良いでしょう。
保険診療の適用になるかどうかは歯科医にご相談下さい。


「亜鉛欠乏症
皮膚炎・口内炎・味覚障害・不妊症など多彩な症状の亜鉛欠乏症について、 亜鉛欠乏症患者の頻度と理学的および臨床的特徴を評価した結果の発表がありました。
 
亜鉛は人体にとって重要な微量元素であり、骨、筋肉、肝臓、腎臓など全身に分布し生体内の300以上の酵素反応に関与しています。
そのため、亜鉛不足による症状は実に多彩であり、亜鉛欠乏症の症状として皮膚炎、口内炎、脱毛症、褥瘡(難治性)、食欲低下、発育障害(小児で体重増加不良、低身長)、性腺機能不全、易感染性、味覚障害、貧血、不妊症などが報告されています。
 
しかし、亜鉛欠乏症の頻度や、理学的および臨床的特徴に関する検討は限られています。
今回の研究では、日本人亜鉛欠乏症患者の理学的および臨床的特徴を明らかにすることを目的に、レセプト情報を基にした大規模データベースを利用して日本人亜鉛欠乏症患者の頻度、理学的および臨床的特徴を評価した。
 
同研究では、2019年1月~2021年12月までに、全国の匿名化されたレセプト情報を用いて大規模データベースを構築。
その中で、血清亜鉛濃度が確認できた1万5,328人中、適格基準を満たした1万3,100人を解析対象としたそうです。
 
亜鉛欠乏症の頻度、男性36.6%・女性33.1%で年齢とともに上昇 亜鉛欠乏症患者(<60μg/dL)の頻度は、男性で36.6%、女性で33.1%と高頻度だったとのこと。
また、亜鉛欠乏症患者の頻度は年齢とともに上昇したようです。
 
性別・年齢で調整した多変量解析の結果では、肺炎、褥瘡、サルコペニア、COVID-19、慢性腎臓病などの併存疾患が亜鉛欠乏症の関連要因だったとのこと。
さらに、利尿剤、抗生剤、抗貧血薬および甲状腺ホルモン治療などの現病歴が、亜鉛欠乏症の関連要因だったそうです。
以上の結果から、併存疾患のため治療中の患者において、亜鉛欠乏症の頻度は比較的高く、消耗性疾患の併存は亜鉛欠乏の関連要因であることが示唆されたました。
 
併存症治療で血清亜鉛濃度評価などが栄養状態評価とともに重要と示唆 今回、研究グループはこれまで明らかではなかった亜鉛欠乏症の頻度、理学的および臨床的特徴を解析しました。
多くの併存疾患が低亜鉛血症の関連要因であることから、これらの併存症の治療の際にも血清亜鉛濃度の評価などが栄養状態の評価とともに重要であることが示唆されました。
 
歯科に関連することとしては 歯茎全体が白く変色している場合は、貧血が原因の可能性があります。
貧血とは、血液中の赤血球の中にある、酸素を運ぶ役割を持つヘモグロビンの濃度が低下した状態をいいます。
主な症状としては、立ちくらみや息切れ、めまいやふらつき、頭痛などが挙げられますが、こちらは歯茎を白くする原因にもなります。
正確には、歯茎だけでなく口内の粘膜全体が白っぽく変色してしまい、場合によっては爪が白っぽくなったり、顔色がくすんだ黄色になったりすることもあります。
ちなみに、このような状態を改善するためには、鉄分など貧血予防に役立つ成分をきちんと食事から摂らなければいけません。


「チーズ
~チーズが虫歯予防に役たつ~
 
ワインなどお酒のつまみにぴったりのチーズ。
このチーズが虫歯予防に役たつという。
WHOはすでに2003年、虫歯リスクを軽減する食品の最上位にチーズを挙げています。
 
WHOのテクニカルリポートという報告書によると、虫歯リスクに関する科学的根拠を『確実』から『根拠不十分』まで4段階に分けた中で、リスク軽減の効果が『確実』とされる物質はフッ化物です。
そして、これに次いで効果が『ほぼ確実』とされたのがハードチーズでした。
 
フッ化物は、歯科医院などで虫歯予防のために歯に塗布されるものです。
「ほぼ確実」には、キシリトール配合ガムに代表されるシュガーレスガムも入っていましたが、チーズはそれより上の位置付けです。
また、虫歯予防効果で知られる甘味料キシリトールは、「ほぼ確実」の次のレベルである「可能性あり」でした。
 
新鮮果実は、虫歯リスク軽減に関しては「根拠不十分」です。
では、なぜ チーズは虫歯予防に役立つのか?
それに触れる前に、まず虫歯が生じる過程から説明します。
 
食事をすると、虫歯の原因菌が食事の糖分を分解して酸を作り出し、歯のカルシウムイオンやリン酸イオンを溶かしていきます。
これを「脱灰」と呼びます。
糖分がなくなると脱灰が停止します。
 
次に起こるのが「再石灰化」です。
唾液の中に含まれるカルシウムイオンやリン酸イオンが溶けた部分を修復すします。
脱灰と再石灰化がスムーズに行われていれば問題ないのですが、糖類の摂取が多かったり、間食を頻繁に行ったりすると、脱灰が続いて歯に穴が開き、虫歯に至ります。
 
チーズは、再石灰化を促す働きがあります。
チーズを噛むとその刺激で唾液成分が倍増し、カルシウムイオンやリン酸イオンによる修復が進みます。
また、唾液には食事で酸性に傾いた口の中を中性に戻す緩衝能があり、虫歯を起こしにくくします。
そしてこの緩衝能は、チーズにも備わっています。
さらにチーズは、原料である生乳から水分を抜いて作られるため、生乳より栄養素が大幅に凝縮されています。
結果、生乳にもともと多いカルシウム量がより増え、生乳の3~10倍、リン酸は2~8倍ほどです。
これほど多いカルシウムやリン酸が、チーズを食べることでイオンとなって口の中に拡散され、再石灰化が“強固”に行われるのです。
カルシウムが多い食品はほかにもありますが、カルシウムとリン酸の結合が緩くないとイオンが放出されません。
そして、カルシウムの含有量が多く、かつチーズほどカルシウムとリン酸の結合が緩い食品は、そうありません。
 
チーズの中でも特に、チェダー、パルメザン、エメンタール、ゴーダといったハードチーズやセミハードチーズが、カルシウムとリン酸の量が非常に多です。
しかしチーズなら種類を気にせず、なんでもOKとのことです。
 
チーズの虫歯予防に関する研究は数が多いです。
たとえば、毎日2回、4週間ショ糖液を含み虫歯になりやすくした状況で、チーズ14グラムを噛んだ群とそうでない群で比較すると、噛んだ群で再石灰化が有意に促進されたそうです。
10%ショ糖液洗口とチーズ摂取を組み合わせた研究では、ショ糖液洗口だけでは歯垢pHが脱灰を誘発するレベル4.3まで低下したのに対し、チーズを食べた後にショ糖液洗口をすると虫歯を誘発しないレベル6.5で止まったとのこと。
 
虫歯予防のために チーズを食べるなら、食事の最後が望ましいです。
何らかの食品と一緒にチーズを食べても、チーズの働きは阻害されません。
もちろんお酒もOKです。
むしろお酒はほとんどが酸性なので、中性に戻す作用に優れるチーズと食べることが推奨されます。
飲んで歯磨きせずにバタンキューも、チーズをつまみにしていたなら許されるかも・・・。

「今年もあの日がやってきました!
~7月最終週の日曜日、釧路湿原マラソンの日が・・・~
 
一昨年は暑さにやられて水分補給を摂りすぎて走れなくなりリタイヤ。
そして昨年はこれまた暑さにやられて両足を同時に攣るという不測の事態があり途中リタイア。
二年連続のリタイヤが続き、『今年は何としても完走したい!』と、春先には思っておりましたが、コロナ明けで色々な行事が復活し、練習する時間がまあ少ない。
かなりの不安を残しながらの本番を迎えることになりました。
 
しかしながら、今年はまさに釧路!!の気温と天気!
暑さにストレスを感じるこなくスタートを迎え、小雨が降る中のひんやりとしたランニングとなりました。
 
気温が低かったため走りやすかったのですが、いざ走ると練習不足だとはっきり感じます。
20キロを過ぎると足が上がらず、気持ちとは裏腹に体が前に進みません。
練習の時も最長で20キロしか走っていなく、当然のことながらそれ以上の距離は身体が動いてくれない。
応援の方も過去二年の失態を踏まえて、今年も遅くなると見込んだ妻と息子は遅めに応援の地へ。
それが仇となり見事にすれ違いで会えず・・・。
なんとか力を振り絞り、ゴールまで自分を鼓舞してなんとか今年は無事に完走しました。
 
久しぶりの達成感に思わずにんまりし、久しぶりの釧路の涼しい週末を堪能しました。


「歯磨きで仕事がはかどる!?
~自律神経に作用、気持ち前向きに~
歯磨きは口腔ケアの基本で、虫歯や歯周病の予防には欠かせません。
一方で、自律神経のバランスを整え、前向きな心理状態をもたらす効果があるそうです。
パフォーマンス向上も期待できるとされ、昼休みに磨けば午後の仕事の能率が上がるかもしれません。
 
口内刺激が効果
厚生労働省が実施した2022年歯科疾患実態調査によると、1日に2回以上歯を磨く人は79.2%。半世紀以上前の1969年の調査では16.9%にすぎなかったですが、衛生意識の高まりなどから87年調査で半数を超えて、その後も一貫して増加しています。
磨くとすっきりし、心地良さが得られることが経験的に知られていようです。
 
歯磨き(ブラッシング)が心や体にどう作用するかを検証するため、成人男女20人の参加を得て試験研究があります。
ポイントと位置付けたのは、口腔内への「触覚刺激」が自律神経に及ぼす影響です。
その結果、ブラッシングによる歯茎や頬の内側などへの刺激が交感神経の活動を弱め、リラックス効果が得られることが分かったそうです。
心理状態に関しては、活性度、快適度、覚醒度が上がり、簡単な計算問題を課したところ回答数が増えたとしています。
 
ブラッシングを行うことで副交感神経が優位になり、良い安静状態が得られたと分析されています。
単に落ち着いているだけだったり、ぐっすり眠ったりといった意味でのリラックスではなく、前向きな心理状態への変化が見られた。
その上で、まさに心身のリフレッシュ感がもたらされ、頭の回転も良くなったとされる。
 
人は視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚の五感を通じて外界から情報を取り入れています。
口の中は感覚が非常に鋭敏で、大脳皮質の中の比較的広い領域が関わるとされています。
人にとってはそれだけ重要な場所で、口内を触って刺激すると、自律神経を介して体や気持ちの働きを巧みに調節してくれるようです。
 
ストレス対処に有効
歯磨きに着目するのは、ストレス軽減策として有効と考えられるからです。
日々の生活は疲労、騒音、家族の介護、近隣との付き合い、職場の悩みなど、ストレス要因に事欠かないです。
うまく対処できないでいるとストレスが蓄積され、心身にさまざまな症状が出てしまう恐れがあります。
 
体にはそうした事態に陥るのを防ぐ機能が備わっています。
その一つが交感神経と副交感神経から成る自律神経です。
歯磨きによって自律神経が良い状態になれば、ストレスへの対応力も強まることになります。
 
従来、ブラッシングは口腔衛生目的で朝と晩に行うことが多く、昼食後にもブラッシングを行えば、自律神経のバランスが整って午前中に生じたストレスが緩和され、仕事の生産性が向上する可能性があると考えられている。
 
上述の22年厚労省調査では、歯磨きを1日3回以上する人は28.4%と3割に満たず、ビジネスパーソンに限ると、男性で3割台、女性で4割台と比率はやや高まるものの、まだ半数に届いていないとのこと。
口の中をブラッシングで刺激するとパフォーマンスアップにつながることが見えてきた、これをきっかけに歯磨きの新たな側面を伝え、ウェルビーイングな世の中を実現していきたいですね。


「口の中が甘いのは何かの病気が原因?
「口の中が甘い気がする」と、口腔内の違和感でお悩みの方もいらっしゃるでしょう。
常に甘みを感じる、ほんのり甘い気がするなど、人によって症状の程度はさまざまで、特に大きな問題がないケースもあります。
しかし、何らかの病気が原因となって甘みが生じている可能性もゼロではありません。
 
〇口の中が甘くなる原因
口の中が甘くなる原因は、薬による副作用や病気など、さまざま考えられ、6つの原因を順に紹介します。
 
1.薬の副作用
口の中が甘くなる原因の一つに、薬の副作用が挙げられます。
抗うつ薬や抗菌薬、抗がん剤、血圧をコントロールする薬など、関係する可能性のある薬はさまざまです。
薬による味覚異常が生じるのは、一般的に服用開始から2〜6週間ほどと言われています。
また、甘みを感じる以外にも、下記のような症状が出ることもあります。
口が乾く、食事の美味しさが分からない、酸味や苦味、塩味、鉄のような味がする、口の中の甘み以外にも、上記のような症状があれば、薬による副作用が原因かもしれません。
 
2.ホルモンバランスの変化
妊娠といったホルモンバランスの変化が原因で、甘みを感じることもあります。
その他の症状が特になく、甘みだけを感じている場合は、通っている産婦人科の医師に相談してみてください。
また、妊娠中は唾液の量が少なくなるため、虫歯や歯周病といったトラブルも生じやすくなります。
つわりで口腔内のケアが難しくなる方もいらっしゃいますが、できる限り口腔内を清潔に保つよう意識しましょう。
 
3.脱水
水分補給の際に口の中の甘みを感じる場合は、体が脱水状態にあるかもしれません。
無味のはずの水や塩味を感じるはずの経口補水液などを飲んだときにも甘みを感じる場合は、味覚異常が生じていると判断しても良いでしょう。
口の中が甘く感じる原因が脱水の場合は、ミネラルを補給すると改善が見込めます。
ただし、自力での水分補給が難しい、下痢や吐き気を伴っているといった場合は十分な水分補給が難しくなります。
早めに病院を受診し、処置を受けましょう。
 
4.亜鉛不足
口の中が甘い原因には、亜鉛不足も考えられます。
今すぐ病院に行くほど緊急性は高くありませんが、亜鉛が摂取できるよう工夫が必要です。
亜鉛は体内で生成できない栄養素のため、食事から取らなければなりません。
食生活が乱れている方は、うなぎやレバー、牡蠣、わかめ、ごぼうなどを意識的に摂取しましょう。
食事で取るのが難しい場合は、サプリメントを活用するのもおすすめです。
 
5.ケトン血性低血糖症
起床時に口の中が甘いと感じる場合は、ケトン血性低血糖症が疑われます。
ケトン血性低血糖症とは、脂肪を分解してエネルギーを生産する工程に異常が生じ、ケトン体が血液中に増えてしまう病気です。
「自家中毒」「周期性嘔吐症」と呼ばれることもあります。
口の中が甘いと感じる以外にも、腹痛や下痢、倦怠感、食欲不振などが生じます。
ケトン血性低血糖症が発症する原因は、高脂質の食事や過度なストレスなどです。
ゆっくり休息をとり、脂質の少ない食事を心がけてください。
通常は1〜2日程度で症状が治りますが、続く場合は他の病気が関係している可能性があるため、病院で検査を受けましょう。
 
6.糖尿病
糖尿病も、口の中が甘いと感じる原因の一つです。
糖尿病とは、インスリンの作用が十分でないために高血糖な状態が続く病気です。
口や皮膚の渇きの他、体重が減少したり、疲れやすくなったりします。
病状が重度になると血液中の糖が尿にも混じり、尿から甘い匂いがすることから「糖尿病」と呼ばれています。
遺伝子要因から糖尿病になる方もいますが、生活習慣も深く関わります。
特に糖尿病になりやすい方は、下記の通りです。
運動不足食生活のバランスが悪いアルコールを好んで飲み、摂取量が多いジュースや砂糖入りの紅茶など、甘い飲み物をよく飲む。
これらに当てはまる方は、生活習慣の見直しを行いましょう。
 
ただし、改善したからといってすぐに治る病気ではありません。
病院で検査を受け、適切にアプローチしていく必要があります。
急激に症状が悪化すると体に力が入らなくなったり、意識がなくなったりするため、症状に気づいたら一度病院に行きましょう。
 
休息や必要な栄養を意識的に取ることで改善が期待できる場合もありますが、病気が原因の場合は治療が必要なこともあります。
口の中が甘い以外の症状もある場合は、一度内科で相談してみることをおすすめします。


「帯状疱疹
体の左右どちらか一方に、ピリピリ、チクチクといった痛みの後、水疱(すいほう)を伴う赤い皮疹が出るのが帯状疱疹(ほうしん)です。
強い神経痛を伴い、場合によっては皮膚の症状がなくなった後も慢性の神経痛に悩まされる怖くて嫌な病気です。
子どもの時にかかった水ぼうそう(水痘)のウイルス(水痘・帯状疱疹ウイルス)の影響で発症します。
 
このウイルスは水痘の症状が消えて一見治ったかに見えても、宿主である人間の神経節などに潜んで生き残ります。
そして、加齢により免疫力が低下すると再活性化し、帯状疱疹を引き起こします。
同疾病は他人にはうつりませんが、ウイルスが感染経験のない子どもらの体内に入ると、水ぼうそうを発症させる場合があります。
 
◇発症すると
帯状疱疹を発症すると、まず皮膚の違和感や神経痛のような痛みが先行し、数日後に体の左右どちらかの側に、体内の神経に沿って帯状に発疹などが出現します。
その後、ウイルスが力を増して炎症を起こすため、痛みは強くなります
肩甲骨周辺に発疹が出ると、腕が上がらなくなるほどです。
ほとんどの人は皮膚表面と神経の両方に強い痛みを感じます。
 
やがて、皮膚に赤い斑点(紅斑)が現れ、水ぶくれ(水疱)が出てきます。
水疱は1週間程度で乾いてかさぶたになり、ゆっくり取れていきます。
発疹の痕や色素沈着がしばらく残るケースもあります。
 
◇顔や頭に出たら合併症に注意
顔や頭に発疹が出た場合は特に注意が必要です。
合併症として角膜炎や結膜炎、耳鳴りや難聴、顔面神経まひ、髄膜炎や脳炎などを起こしてしまうことがあるからです。
対応を誤ると失明や慢性の聴力障害を招く危険があるので、早期に皮膚科の専門医の診察を受けてください。
 
帯状疱疹は皮膚症状よりも痛みが先に出るので、診察が難しいのが現状です。
発疹などが出れば、「皮膚科を受診してください」と言えます。
しかし、発疹が出る前から痛みが生じるため、「おなかが痛いから消化器内科」「頭が痛いから脳神経外科」と、誤った受診につながることも少なくありません。
皮疹がないと帯状疱疹の診断にたどり着かない場合も多いのです。
痛みを感じて受診した数日後に皮疹が出て、ようやく正しい診断に至ることもあります。
一回限りではなく、ある程度日にちを空けての再受診が求められる病気とも言えます。
 
◇早期治療が鉄則
治療はウイルスの増殖を抑える薬を使用します。
飲み薬(内服薬)が4種類、点滴薬が2種類あります。
重症化すると入院して点滴をしますが、ほとんどの症例は外来で飲み薬が使われます。
従来の経口治療薬は腎臓に負荷がかかるので、高齢者や腎機能が少し悪化している人には要注意でしたが、一番新しい薬は比較的安心して使用できます。
 
治療薬は1週間続けて服用します。
服用が終わった時点で皮疹が残っていることはありますが、次第になくなっていくので心配は要りません。
ただ、ウイルスの増殖を抑える薬ですから、発症後できるだけ早く服用を始める必要があると心得ておいてください。
 
また、帯状疱疹になると、だるさや痛みの影響で食欲が落ちる人も多く、水分摂取量も減って脱水傾向になったりします。
できるだけ適切な食事や水分摂取を心掛けてください。
 
◇やっかいな後遺症
通常、皮膚症状が落ち着いてくると痛みもなくなってきますが、その後もピリピリするようなやっかいな痛みが長期間持続することがあり、これを「帯状疱疹後神経痛」と言います。
 
急性期の痛みは神経の炎症が原因ですが、帯状疱疹後神経痛は急性期の炎症によって神経に強い損傷が生じたために起こります。
皮膚症状が重かったり、急性期の痛みで夜も眠れなかったりした人ほど、予後の神経痛も厳しいとされます。
このため、症状が重症化しやすい高齢者などは、同神経痛が残る可能性が高いと言われています。
残った場合は、痛みの管理を専門とするペインクリニックなどを受診し、専門的な治療を受けることがあります。
そうした事態を回避するためにも一日も早い診断・治療開始が大切です。
症状に気付いたら、急いで医療機関を受診してください。
 
◇ウイルス再活性化を防ぐには
ウイルスの再活性化の多くは疲労、ストレス、加齢、悪性腫瘍、免疫抑制治療などによる免疫力の低下がきっかけです。
帯状疱疹になったときは生活や健康状態を見直す契機になります。
忙しく過ごしていた人は、十分に睡眠を取ってリラックスすることも大切です。
しばらく健康状態をチェックしていなければ健康診断を受けるなどしてください。
 
帯状疱疹は50歳以上で患者数が増加する病気ですが、最近は若年の発症例も増えています。
予防のための強い味方がワクチンです。
発症のリスクを下げ、発症したとしても重症化を防ぎます。
接種費用の一部を補助する自治体も出てきています。
 
ワクチンには「生ワクチン」と「不活化ワクチン」がありますが、不活化ワクチンのシングリックスは「50歳以上」から「帯状疱疹の発症リスクが高い18歳以上」へと対象年齢が拡大しました。
積極的に活用していくといいでしょう。


口唇ヘルペス~唇や周囲に水膨れ~
口唇ヘルペスは、唇やその周りにピリピリ、チクチクした軽い痛み、むずがゆさ、違和感などの症状が出た後、水膨れができる病気です。
単純ヘルペスウイルスに感染することで発症し、水膨れや症状があるときの唾液に触るとうつります。
特に、水膨れの中にはたくさんのウイルスがいるので接触しないようにしましょう。
ウイルスが付着したコップやタオルなどを介して感染する場合もあるため注意が必要です。
 
・2週間で治癒も再発の懸念
初めて症状が出たときには、水膨れが数多くできたり、リンパ節が腫れたり、熱が出たりすることもあります。
水膨れはやがてかさぶたとなり、10日~2週間くらいで治ります。
単純ヘルペスウイルスは一度感染すると神経に侵入し、生涯にわたって潜んでいます。
健康なときはウイルスの活動が免疫によって抑えられ、症状は表れません。
しかし、何らかのきっかけがあると再活性化し、神経を伝って皮膚や粘膜に出てきて病変をつくります。
再活性化の契機となるのは疲労や風邪、紫外線、胃腸障害、ストレスなどによって免疫力が低下した場合です。
ただ、再発の際は水膨れの数は少なくなり、他の症状も初めてのときより軽症で済むケースが多くなります。
 
・治療は飲み薬が基本
口唇ヘルペスの治療はウイルスの増殖を抑える「抗ヘルペスウイルス薬」を使用します。
飲み薬と塗り薬があり、市販薬はすべて塗り薬ですが、ウイルスは体の中で増えるので飲み薬での治療が一般的です。症状が出たら、できるだけ早い時期に治療を始めましょう。
治療により症状を改善し、治癒までの期間を短くすることができます。
内服期間は通常5日間です。
水膨れが治まっても、体の中ではまだウイルスが増殖している可能性があります。
ご自身の判断で途中でやめたりせず、原則として飲み切りましょう。
再発を繰り返す場合は、あらかじめ薬を処方しておいて、水疱(すいほう)や発赤(ほっせき=皮膚表面の赤み)といった症状が出る前の、むずむず・チクチク・ピリピリという違和感を覚えた段階で、患者さん自身の判断ですぐに飲み薬を服用する治療方法もあります。
再発を繰り返す方は医師に相談してみましょう。
 
・日常生活の注意点
〔症状が出ていないとき〕
栄養バランスの良い食事と十分な睡眠を心掛け、疲れやストレスをためないようにしてください。
疲れているときや体調が優れないときは、強い紫外線を浴びる屋外での活動やレジャーは控えましょう。
長時間にわたり紫外線を浴びると全身の免疫力が低下し、再発につながる可能性があります。
 
〔症状が出ているとき〕
水膨れをつぶしたり、かさぶたを取ったりしないようにしてください。
触ってしまったら、せっけんでしっかり手を洗いましょう。
ほとんどの口唇ヘルペスは再発です。
その場合には自分自身は免疫力を持っていますので、あまり神経質になる必要はありません。
しかしながら、患部に触れると自らも感染します。
できるだけ触らないように気を付けてください。
特に、目に感染して発症する角膜ヘルペスには気を付けましょう。
患部はせっけんや洗顔料をよく泡立てて、やさしく洗いましょう。
物を介して感染することもありますので、タオルやコップなどは共有しないようにします。
赤ちゃんとの接触はできるだけ避けてください。
赤ちゃんはウイルスに感染すると重症化することがあります。
アトピー性皮膚炎の人は、皮膚のバリアー機能が低下しているので重症化しやすい傾向にあります。
アトピー性皮膚炎の人が単純ヘルペスウイルスに感染すると、水疱が顔だけでなく全身に広がるケースも見られます。
これをカポジ水痘様発疹症といい、皮膚の症状だけでなく、しばしば発熱や全身倦怠感を伴います。
患部への化粧は刺激になる場合があるので避けましょう。
※歯科治療時は何度も開閉口を行いますので症状のひどい場合はご相談ください


「知覚過敏について
◇歯の構造
歯はまず口の中で見える部分の一番外側に「エナメル質」という硬い組織があり、歯を守る役目をしています。
骨に埋まっている根の部分の周りには薄い「セメント質」、その内側には「象牙質」があり、その表面には極めて小さな穴が無数に開いていて、これが歯の中にある「神経(歯髄)」に管(象牙細管)となって通じています。
管の中にはセンサーとも言うべき神経の細胞の突起が入っています。
 
象牙質が何らかの原因で直接、外界からの刺激を受けると、センサーを通じて歯の神経が危険信号を察知し、歯に痛みが生じます。
刺激の原因は虫歯の場合もありますが、虫歯でなくても歯の表面が欠けたりして象牙質が露出すれば痛みが生じてきます。
これが知覚過敏症です。
 
◇原因
ある程度進行した歯周病を患うと、治療後に歯茎の位置が下がって歯が露出し、知覚過敏を起こすことがあります。
炎症が起こっている際は見かけ上、正常の位置だった歯茎が治療によって炎症が治まり引き締まった結果、歯の根の部分が露出。
象牙質が外部にさらされて直接、刺激を受けるようになり、冷たいものが染みたり、歯ブラシなどで引っかくと痛みが生じたりするのです。
 
歯茎が健康でも、力任せに横方向に磨いたり、歯磨き剤に配合されている研磨材が知らず知らずのうちに歯を削っていたりすることもあり、これが原因となるケースもあります。
また最近では、かみ合わせの不具合や強い食い縛りなどにより、局所的に不用意な力が加わることによっても歯の欠損が生じると分かってきました。
多くの場合、歯と歯茎の境目(歯頚部)辺りに生じやすく、歯頚部知覚過敏症とも言われています。
 
◇虫歯との見分け方
虫歯の場合は、歯の色が茶褐色になっていて、どこかに穴が開いていることが多く、痛みも一過性ではないのが一般的です。
冷たいものが接触してズキンとした痛みを感じ、そのまま鈍痛が数秒から数十秒間持続するようなら、虫歯によって歯の神経に炎症が起きている可能性があります。
また、熱いものを食べたときにズキズキと持続的な痛みが生じれば、すでに歯の神経に炎症が起きています。
一方、冷たいものが染みても、一瞬で回復すれば知覚過敏症です。
 
◇治療法
前述のように、知覚過敏が起こる原因は象牙質の露出ですから、露出している部分をふさげば症状は消えます。
治療法は種々ありますが、まずは歯ブラシを正しい方法で使用することが重要です。
歯科医院でしっかりと指導を受けましょう。
それによって生体の防御機能が働き、自然に歯の中の壁が厚くなったり、象牙細管がふさがれたりします。
 
硝酸カリウムやフッ化ナトリウムなど、象牙細管の封鎖を促進する薬剤が配合された市販の歯磨き剤を使用するのも有効です。
これを柔らかめの歯ブラシに付けて、力を入れずに染みている歯に対して薬を塗りこむような要領で、毎日丁寧に磨きます。
場合によっては歯間ブラシに付け、歯の間も丁寧に磨きましょう。
 
知覚過敏症の症状は、その日の体調によっても左右されます。
軽度の場合は自然治癒もあり得ますが、放置しておくと痛みが悪化するケースもあります。
各種薬剤からマウスピース、レーザー照射まで、種々の治療法が可能ですので、歯科医師にご相談ください。
 
なお、放置してしまった場合、歯の中の神経に炎症が起こることがあります。
炎症は生体の防御機能ですので、何か生体内に悪影響を及ぼすものが侵入してきている証しとなります。
こうなると、歯の神経を保護したり抜いたりする処置が必要となってきます。


「歯磨き粉
虫歯や歯の黄ばみなど、自身の悩みに合わせた歯磨き粉を選んでいる人は多いでしょう。
しかし、SNSの情報やドラッグストアに並ぶ商品を見て、どれを買うべきかを悩むことも多いと思われます。
買うときや使うときにはどのようなことに気をつけたら良いのでしょうか。
 
①黄ばみや虫歯 悩み別で選ぶ歯磨き粉のポイントとは
マスクなしで生活しているなかで、今まで以上に自分の歯が気になることもあるでしょう。
歯の黄ばみには、着色汚れを落とすポリリン酸ナトリウムなどの有効成分が含まれている、いわゆる「ホワイトニング歯磨き粉」を活用しましょう。
 
また、歯の汚れを落とす効果がある研磨剤入りのものもありますが、過度な使用は歯の表面のエナメル質や歯茎を傷付ける可能性があります。
その傷に歯垢(プラーク)がついて汚れが付着することもあるため、低研磨性のものを使うことをおすすめします。
歯の黄ばみは、歯磨きだけではなく、ポリフェノールやアントシアニンなどを含む着色しやすい食事や飲み物、喫煙を控えるなど日常からの予防も大切です。
 
虫歯予防のためには、フッ素が含まれた歯磨き粉を選ぶと良いでしょう。
フッ素は歯のエナメル質を強化し、虫歯の発生を抑制します。
また、エナメル質の再石灰化を促進し、酸や細菌から歯を守る効果もあります。
 
しかし、セルフケアだけでは、歯の健康を守れない場合があります。
磨くときの癖や使用した歯磨き粉の成分によっては、歯肉の色素沈着など口腔内のトラブルや虫歯、歯周病を引き起こす可能性もあるため、定期的な歯科検診が大切です。
深刻な黄ばみや口臭などの悩みは、歯科医師や歯科衛生士による専門的なアドバイスを受けることをおすすめします。
日常の歯磨きと併せて行うと効果的でしょう。
 
②歯磨き粉の適量は? 歯ブラシは乾いたままが良い理由
大量の歯磨き粉を使って磨いたほうが、予防に効果があるように思うかもしれません。
しかし、たくさん歯磨き粉を使っても、ブラッシングの際に歯磨き粉が使い切れず、きちんと磨けなくなる可能性があります。
 
歯磨き粉の適切な量は、年齢によって異なります。以下の量を参考にすると良いでしょう。
・6か月~2歳:3ミリ程度
・3~5歳:5ミリ以下
・6歳以上:1センチ程度
 
また、歯磨き粉を使う際に、いったん歯ブラシを濡らしてからつけている人もいるでしょう。
しかし、「しっかりとブラッシングする」という点で、歯磨き粉は歯ブラシが乾いた状態でつけることをおすすめします。
理由は、歯ブラシを濡らすと泡立ちが良くなり、ブラッシングの効果がわかりにくいことにあります。
そうするとあまり磨けていないのにもかかわらず、泡立ちの良さによってすっきりするので磨けたような気になり、歯磨きを終えてしまいます。
 
歯磨きの目的は、歯の表面についた、もしくは歯と歯の間に入り込んだ食べカスなどの汚れ、虫歯や歯周病の原因菌が住み着いているプラークを取り除くことです。
丁寧に行いましょう。
 
悩みに合わせた歯磨き粉を選び、適切な量で正しく歯を磨くことで、日常的に口腔内における悩みの解消へ近づくことができます。
ただし、虫歯などは早期治療が有効なので、繰り返しにはなりますが、歯の健康を長く保つためには定期的な歯科検診が大切です。


歯のかみ合わせ「一部分が高く感じる」などの違和感を訴える歯科受診者増加!
歯をかみ合わせたときに「一部分が高く感じる」「一部の歯がひっかかる感じ」などかみ合わせの違和感を訴え、歯科を受診する人が増えているといいます。
 
歯科医院で歯と歯の間に紙(咬合紙)を挟まれて、「かんでみてください。高くないですか?」と言われたことがあると思います。
これはかみ合わせのチェックと調整です。
 
むし歯や歯周病などで歯を失ったり、欠けてしまった部分を補う詰めもの(充填物)やかぶせもの、ブリッジなどの補綴治療後に欠かせない処置です。
かみ合わせがよくないと、よくかめないほか、歯や顎関節、咀嚼筋に不快な症状が出たり、肩こりや頭痛、イライラするなど精神的な症状があらわれることがあります。
補綴治療ではかみ合わせが高くなるので、調整は必ず必要です。
 
■わずかに高くても違和感が生じる
上下の歯でかんだ状態がかみ合わせです。
上下の歯はそれぞれ上顎骨、下顎骨とつながっている。
耳の前の側頭骨のくぼみに下顎骨がはまり込むように連結されている。
この連結部分が顎関節です。
 
リラックスしているとき、下顎は顎関節を介して宙ぶらりんの状態で、上下の歯は接触しないのが自然です。
食事などで下顎を引き上げたときに、初めてかみ合わせが起こります。
このかみ合わせに「高い」「何かひっかかる感じ」など痛みではない違和感が生じるものが「かみ合わせの違和感」です。
 
かみ合わせの違和感は、周囲が想像する以上につらい状態です。
「うまくかめない」「どこでかんだらいいかわからなくなり、顎の調子がおかしい」「首や頭部に痛みが出た」などの訴えのほか、精神的苦痛から家事や仕事ができなくなったり、うつ状態になる場合もあります。
2013年には日本補綴歯科学会において、こうした症状を「咬合違和感症候群」と呼ぶことになりました。
 
歯は小さな砂や髪の毛一本をかんでも、その異常を感知する、敏感な感覚器官でもあります。
その鍵となるのは歯根膜で、歯の歯根の表面(セメント質)と歯が埋まっている骨(歯槽骨)を結び付ける厚さ約0・3ミリの結合組織です。
かんだときに歯にかかる力を吸収・緩和するとともに、その感覚を脳に送っています。
歯は食事の際などに歯根膜を介して、約0・1ミリの範囲内で動きます。
かみ合わせも約0・1ミリまではからだが許容しますが、それを超えると痛みなどの問題が生じやすいのです。
 
前頭前野は「脳の司令塔」といわれ、高度な精神活動をつかさどっています。
記憶や感情、行動に関わり、「いつもと違う刺激」に敏感です。
中でも右側はストレスなどに対する反応が強く出ることが報告されています。
かみ合わせの異常が続くと、脳が不快な状態を感じ、このような変化が生じていると考えられるといいます。
 
かみ合わせの違和感が生じる原因の一つは、前述のように補綴治療によるものだ。
詰めものやかぶせものをした後、歯科医師が高くなった分を削るが、中にはこの調整がうまくいかず、正しいかみ合わせになっていない場合があります。
 
■早めに歯科医師に相談することが大事
歯の治療後、1週間以内に違和感がある場合は、再度、歯科を受診し、その症状を伝えてください。
なお、歯並びが悪い場合やむし歯や歯周病で歯がグラグラしていたり、歯を失っている場合も、かみ合わせが悪くなり、違和感を生じることがあります。
この場合、原因となる病気の治療をすれば症状はよくなと思われます。
 
もう一つの原因として、顎関節症によるものがあります。
顎関節症とは「顎関節と咀嚼筋の痛み」「開口障害(口が開かない)」「顎関節の雑音(顎が鳴る)」を主な症状とする病気です。
顎関節症になると顎が痛んだり、口が開かなくなることから、痛みのないほうの歯でかむ習慣がつき、かみ合わせが悪くなってしまったり、何らかの原因で顎の骨が変形することで、顎の位置が変わることが要因になるケースもあります。
補綴治療でかみ合わせが悪くなったことをきっかけに、顎関節症になることもあるという。
 
このほか、かみ合わせの違和感の原因となる顎の病気には、細菌が顎の関節に感染し、炎症を起こす「感染性顎関節炎」や顎のがんなどの「腫瘍」があります。
下顎の一部である下顎頭が減っていく「進行性下顎頭吸収」や「慢性関節リウマチ」(関節の症状が顎関節にあらわれた場合)、自分の意思とかかわりなく顎などが動く「ジストニア」によるものなどがあります。
また、詳しい検査をしても、かみ合わせの異常や原因となる病気が見つからない場合もあります。
歯ぎしりやくいしばりなど、上下の歯の接触が続くことにより、感覚神経が興奮していたり、ストレスなど心理的要因が影響している場合などが考えられます。
 
原因不明の違和感に対しては、患者から要望があっても歯を削ることはしません。
まずは患者さんの訴えをよく聞くことから治療がスタートします。
不快感、違和感が続くようであれば歯科医院の受診をおすすめします。

所在地

〒085-0048 釧路市駒場町1番2号

電話番号

☎:0154-31-7373

📠:0154-31-7374(FAX)

バスでお越しの方

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